2017年2月9日木曜日

けものフレンズ考察 サンドスターの役割と目的

はじめに


 この記事は情報整理と推論の二つのパートを繰り返すことで構成されています。情報パートのソースは特に注釈がない限りアニメ本編です。推論パートは僕自身の勝手な考察であり、公式設定ではありません。
 今回は、けものフレンズの世界観の根幹をなす「サンドスター」について考察し、その正体に迫ります。
 執筆時点での最新回は第5話「こはん」です。

サンドスター


 サンドスターとは、フレンズたちを生み出したとされている謎の物質です。

  • キラキラした見た目をしている、実体のある半透明の物質
  • 火山から降り注ぎ、地中に蓄積される
    • 1話で段差を降りる際に土壌からサンドスターが拡散する演出は、サンドスターが多量に含まれていることを表しています。
  • サンドスターの力でフレンズが生まれる(フレンズ化)
    • 動物にサンドスターが降りかかることでフレンズ化します。
    • 火山の噴火によるフレンズ化は過去に何度も起こっているようです。トキの「今年の噴火」という台詞から、年に一回程の頻度で起こると思われます。
  • フレンズが特殊能力を使う時、少量のサンドスターが消費される
  • 温度・湿度・日差しを変化させ、ジャパリパークに「地方」を作り出している
    • ラッキービーストの解説より。


 こうして列挙してみると、有無を言わさず動物をフレンズ化させる強毒性の化学物質のようにも思えますが、サーバルたちは概ね好意的に捉えています。交流を行い友達を増やすことを良しとするフレンズの社会において、新しいフレンズが生まれる噴火は吉事なのでしょう。
 ラッキービーストが「分からないことだらけ」と言うように、サンドスターのメカニズムは謎に包まれており、フレンズや環境との因果関係のみが提示されています。
 ところで、ジャパリパークにはフレンズ以外にも正体不明のものがいくつかあります。セルリアン、そしてジャパリまんです。一旦サンドスターから離れ、情報を再構築してみようと思います。

セルリアン


 セルリアンはいわゆるモンスターです。

  • スポーンする
  • どこにでも沸くわけではなく、場所や日時によって多い・少ないの傾向がある
  • フレンズではない
    • サーバルがはっきりと否定しています。動物や植物がフレンズ化した姿ではないようです。
  • フレンズを捕食する
    • 「食べられちゃう」という表現が死を表すとは限りませんが、その可能性は高いです。
  • 戦闘能力の高いフレンズはセルリアンを迎撃できる
  • 体のどこかにある石を攻撃すれば倒せる
    • 落下ダメージでも倒せるようですが、追ってこられなくなっただけかもしれません。倒されたセルリアンはバラバラになり、死にます。

セルリアンは石から生まれた


 さて、火山から大量のサンドスターが放出された翌日、フレンズたちが水場へ行くのをためらうほどセルリアンが増えました。この二つの事象が無関係とは思えません。
 サンドスターが降り注いだためにセルリアンが増加した、と考えるのが自然です。
 セルリアンとフレンズは異なる存在ですが、ここでセルリアンの弱点である石に注目してみると、サンドスターの働きを同じ文脈で説明することが可能になります。

  • 動物をフレンズ化させる力
  • 鉱物をセルリアン化させる力

 セルリアンはある日突然現れたわけではなく、フレンズ化に類似したサンドスターの力によって鉱石から生まれた、と考えると辻褄が合います。

ジャパリまん


 ジャパリまんとは、食べ物です。

  • 饅頭を思わせる外観(肉まんの可能性もあり)
  • 紙袋のようなものに入っている
  • フレンズたちの食べ物だが、かばんも食べられる
  • どこからともなく取り出される
    • フレンズたちはジャパリまんを携行食として持ち歩いているようです。
    • スナネコは砂の中に隠していました。(地面を掘るとジャパリまんが出てくるという説もありますが、描写を見る限りではスナネコが貯蔵していたもののように思えます)
  • 簡単に手に入る
    • 気軽に仲間に分け与えられています。貴重な食料という印象は受けません。
    • 入手経路は今のところ不明です。
  • ジャパリコインで交換できるものの一つ
    • ツチノコの説明より。しかし、フレンズたちはジャパリコインを使っていません。
  • 通貨代わりに使われている
    • アメリカビーバーが博士から木材を購入し、対価としてジャパリまん三ヶ月分を支払う約束をしています。
    • ジャパリコインではなくジャパリまんが通貨の役割を果たしています。
    • 一日三個と考えると三ヶ月分はおよそ二七〇個です。
    • 博士とは、アフリカオオコノハズクのフレンズのことだと思われます。(けもフレ図鑑No.041)


ジャパリまんがフレンズを生存させている


 フレンズ化した動物は捕食関係を失います。本来肉食のサーバルは、かばんを食べませんでした。代わりに主食としているのがジャパリまんです。肉食獣に限らず、全てのフレンズがジャパリまんを食べている可能性が高いです。
 では、ジャパリまんはどのようにして供給されるのでしょうか?

  1.  パーク内の施設で製造されている
    • 荒廃した状態にあってもソーラーパネルが生きているため、工場のようなものが稼働しているかもしれません。
    • ただし、ジャパリまんを作るための原材料が大量に必要になります。
  2. フレンズによって製造・販売されている
    • フレンズでも紅茶を淹れられるので、ジャパリまんを作れてもおかしくはありません。
    • ですが、それなら食べ物のバリエーションがもっとあるはずです。
  3. サンドスターが作り出している
    • フレンズ化によって食べる物がなくなるなら、代わりの食料を配給するのは当然とも言えます。
    • この説を採用するならば、サンドスターは単なる自然現象ではなく、「フレンズ化を行い彼らを生存させる」という明確な意図を以って設置された機構ということになります。


サンドスターを作ったのは人間


 前項の三つ目の説を採ると、フレンズ、セルリアン、ジャパリまん、全てがサンドスターに帰結します。偶然ではないでしょう。サンドスターがフレンズを生み出し、セルリアンを生み出し、両者の対立構造を意図的に作り出したのです。
 その関係は極めて不均衡です。フレンズがセルリアンを捕食できるのであれば、ジャパリまんは必要ありません。彼らは生存競争の一環として激しく争うはずです。
 しかし、実際にはフレンズがセルリアンを食べることはなく、セルリアンがフレンズを食べます。一体なぜこうなっているのでしょうか?
 そのヒントがツチノコの考察の中にあります。「ここは人を楽しませるために作られた」。こことは地下迷宮を指しますが、パーク全体にも適用できる言葉です。
 ジャパリパークはテーマパークを兼ねた動物園として設計されました。セルリアンもアトラクションの一環です。パークに入った人間はフレンズと行動を共にし、襲い来るセルリアンたちをフレンズが撃退するという一種のショーを楽しむのです。
 ここでフレンズがセルリアンを捕食してしまうと、途端に大自然の掟をダイレクトに伝える強烈な光景が広がります。そうではなく、人間がフレンズにご褒美としてジャパリまんを与えた方がずっと一般受けするはずです。

 さあ、これでサンドスターの正体が明らかになりました。フレンズとセルリアンを生み出し、動物園を面白くするために人間が作った管理システム……それがサンドスターです。主導したのはジャパリパークの旧管理者であり、ラッキービーストが解説を再生していた声の人物、もしくはその上司ではないかと推測されます。

 最後になりますが、この考察は推論の推論の推論くらいに不確かなまま進んでいるので、蓋然性はほとんどありません。ですが、何が当たっていて何が外れていたかはいずれ明らかになると思っています。投げっぱなしエンドでは終わらないという確固たる予感が伏線の端々から感じられます。僕たちは今、けものフレンズという伝説が綴られるさまをリアルタイムで目撃しているのです。

参考資料

けものフレンズプロジェクト|公式サイト
http://kemono-friends.jp/

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