はじめに

第9話「ゆきやまちほー」で、サンドスターやパークガイド、その他諸々についてかなり具体的な描写がなされました。
よって、この記事の半分は考察、もう半分は確定できそうな情報のリストアップとなります。とは言え、公式設定ではありません。
今回はかばんちゃんが帽子から生まれた説を掘り下げ、サンドスターと島の来歴からその妥当性を検証します。
概念から生まれたフレンズ

ボス「彼女らは動物やその遺物と……」(第2話)
ボスが敢えてこの説明をした(しかも途中で遮られた)のは、圧倒的な伏線でした。

コウテイ「サンドスターが動物に当たるとフレンズが生まれる」
プリンセス「あるいは動物だったもの、とかね」
つまり、ヒトの遺物=パークガイドの帽子から「ヒトのフレンズ」が誕生した可能性があります。
けものフレンズ草創期に既に唱えられ、懐疑的な反応をもって迎えられたこの推論は、話数を経るごとに確からしさを増してゆきました。
- かばんとミライさんの声が同じ(違う声に聞こえますが、同じらしいです。確かに、別人なら????と隠したりはしないかもしれません)
- セルリアン説を持ち出すことなく、かばんがサバンナ地方に現れた理由を説明できる
- アライさんが帽子を失ったのは、ボスが喋った後に帽子にサンドスターが当たってかばんが生まれ、そのまま逃げたから
- かばんの帽子だけがボロボロなのは、帽子以外の部分がフレンズ化で生成されたため
- 動物からフレンズ化した者は動物だった頃の記憶を持っているが、遺物からフレンズ化した場合はそれがないかもしれない
反論も当然あります。
- 帽子のような、身に着けていただけのものでもフレンズ化するのか
- 帽子にくっついていた髪の毛からフレンズ化したと考えれば支障はありません。ただし、ちょっとグロいです。
- 遺物からフレンズ化した場合は目のハイライトが消える、という仮説を放棄しないといけない
- トキは動物の頃の記憶を持っていて、かつ目のハイライトが消えています。よって、この前提はそもそも成立しないようにも思えます。
- ヒトの遺物は帽子以外にもあるはずだが、なぜ今まではフレンズ化しなかったのか
髪の毛説は一旦置いておいて、「動物の遺伝子を含まない物質からのフレンズ化は不可能なのでは」という率直な疑問がこの説を受け入れがたいものとしています。9話を見るまでは、僕もその立場でした。
ですが、プリンセスが最後に付け加えた「とかね」が、動物だったもの以外の遺物=帽子の存在を仄めかしているのだとすれば、まるでミッシングリンクの間隙を埋めるかのように三つの伏線がつながるのです。
動物も遺物も存在しないはずのツチノコのフレンズ化は、(実はツチノコが本当にいるのでなければ)人間が「ツチノコという生き物が存在するのではないか」と考えて観測を行った結果、概念からフレンズが生まれたのだと解釈できます。
即ち、フレンズ化の本質とはサンドスターによる情報の具現化・具象化であり、セルリアンは捕食によって情報を奪います。そう考えると、「ミライさんが長年愛用していたために人間の情報が蓄積していた」という理由で帽子がフレンズ化することは十分にあり得ます。
帽子のフレンズ化は、ミライさんの死を必ずしも意味しません。遺物には遺失物、落とし物といった意味もあります。プリンセスは死骸のことを言っているようですが……。
山!

山は神聖な場所とされているようです。
フレンズたちにとっての「神」とは何でしょうか?
しかし、僕ら人間でさえ神について正確に分かっているわけではないのでこの考察は諦めます。
山を神聖な場所としたのは、やはり人間であるように思います。
フレンズたち、もしくはパークの客が山に入らないように、そう定めたのではないでしょうか。
- 噴火や崖崩れの恐れがあるため
- 近づくとフレンズ化してしまうため
- セルリアンが多いため
- 四神がいるため(アプリ版でUMAとして登場した青龍・朱雀・白虎・玄武のことと思われる)
- 神秘の物質・サンドスターの現れ出る場所であるから
山岳信仰は人類の打ち立てた思想の一つです。ジャパリパークの島は海底噴火によって生まれました。火山こそが世界の始点であり、それに崇敬の念を抱くのは当然のことなのかもしれません。
さて、埋設されている大事なものは、山にあることが明らかになりました。
アライさんがすぐにお宝を掘りに行けなかったのは、山に入るのに博士の許可がいるためでした。
何が埋設されているのかについて、考えてもいい頃だと思います。
恐らくは、サンドスター発生装置、あるいはサンドスターの原石でしょう。
ミライさんが埋設物について残したメッセージは、謎と思われていたサンドスターの起源を見つけた、という意味になります。火山があってそこからサンドスターが湧出したのではなく、サンドスターが地殻変動を引き起こして火山を形成したのです。
この考えに従ってジャパリパークの歴史を書き起こしてみると、以下のようになります。
宇宙からサンドスターが飛来、海に落ちる(サンドスターを積んだ宇宙船、またはサンドスターの隕石)
↓
サンドスターの活動で海底火山が作られ、噴火で島が生まれる
↓
長い年月を経て火山活動が収まり、休火山となる(今回出てきた湯の花のように、火口にサンドスターが堆積し、溶岩がせき止められたのかもしれない)
↓
ジャパリパークが造営される
↓
火山が再び噴火し、サンドスターが降り注ぐ。フレンズとセルリアンが誕生
↓
人間はパークの運営を続けながら火山を調査
↓
火山の直下にある、サンドスターを生み出しているものの正体が判明
↓
サンドスターの活動が勢いを増し、激しい噴火が相次ぐ。人間は船でパークから退避
ミライさんは島に残った?
フレンズが生まれた当初はまだ火山の活動がそれほど激しくなかったため、人間や遺物にまで影響を及ぼすほどのサンドスターは降り注いでおらず、動物が徐々にフレンズ化する程度に留まっていたのではないでしょうか。
そして、人間たちは研究の一環として、採取し濃縮したサンドスターを使って意図的に絶滅動物の遺物をフレンズ化していたと考えられます。
しかしその後、自然環境下でも遺物のフレンズ化が起こるようになったため、人間は自分たちの遺物を回収して島から脱出したのです。(ラッキービーストは機械でフレンズ化の心配はないため、フレンズの保護と将来のパーク復旧を鑑みて置いていった)
従って、フレンズ化する可能性のある遺物は帽子くらいしかなく、しかもその帽子も何らかのアクシデントでサバンナ地方に放り出されたものと推測されます。これが、ヒトのフレンズが今までは現れなかった理由です。
僕の考察は毎回盛大に外れているので、対抗説も挙げておきます。
- 博士は四神の位置を知りたがっているので、四神は動かない=封印されている。つまり埋設されているのは四神
- ミライさんが「埋まっている」ではなく「埋設」と表現したのは、それが人工物だったから。埋設はジャパリパーク造営と同時期に行われ、その存在は秘密にされていた
- 山の地下にはセルリアンの本拠地がある。大事なものはセルリアンの発生を抑える手段
- 実はジャパリまんがお宝
参考資料
けものフレンズプロジェクト|公式サイト
http://kemono-friends.jp/
補足(2017/03/23 追記)
避難の原因は巨大セルリアンの出現でした。
埋設されているのは四神で、お宝はサンドスターのフィルタリング装置でした。